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羊の時刻

荻サカエの雑文置き場です。

三好銀

漫画 読書

 三好銀が亡くなっていたと今知った。

 逝去された日が8月31日と知って、すごく「らしい」と思った。夏の終わりがあんなに似合う涼しい描線の作家ほかにいない。この人の描く光景には夏休みの終わり頃のあの、暑さとか記憶とかいろんなものがぽっかりと飽和した時空間が広がっている。奇異なはずなのによくある気がする、突拍子も無い懐かしい日常を描く人だった。

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 そろそろまた新作出ないかなと折に触れふと思い出す作家だった(つい昨日も買い物の帰りに思い出してたんだった。児童書の挿画やってみてほしいな、その場合カラーがいいかな、でも白黒も捨てがたいな、とか思いながら両手にスーパーの袋提げて蒸し暑い道を歩いた)。寡作だったけど、どの作品も何度読んでも飽きないから「待ちぼうけさせられている」という気はぜんぜんしなかった。頭では分かっていても、まだ亡くなったことをどこかで全く受け容れられていない。長年好きでいた(これからも好きな)作家が亡くなると、頭では亡くなったと知っていても、本屋に行くと体が習慣で新作を探し求めてしまう。先日も本屋さんにぶらっと入って雑誌コーナーで「吉野朔実劇場立ち読みしなきゃ」と思ってから(ああ)となった。

 

《追記》

 上の集合写真、一冊漏れてたことに気づいた。やまだないととの間に交わされたFAXをもとに描かれたエッセイ漫画(たぶん。だと思う)『FAXPRESS』。

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 単行本に収録されていないものとかアンソロジーにしか入ってない作品、別名義のものまで併せた作品集ぜひ出て欲しい。ペンネームは「みよし・ぎん」だけど本名は「みよし・しろがね」と読むと、これもたった今知った。かっこいい。